池見陽先生の「Asian Focusing Methods」セミナーの続きです。
「スペース」が鍵
・今からお話しすることも、今日の「エイジアン・フォーカシング」の中にも、この「スペース」というところがとても大事になってくる。
・「クリアリング・ア・スペース」。それは以前、僕が「間を置く」と訳して、でも関東では「心の空間づくり」と訳していて、日本国内で違う訳があってややこしいので、最近はもうカタカナで「クリアリング・ア・スペース」と言っている。
・心の中は散らかった部屋みたいだと思ってみて、いろんな「気がかり」があるので、それをひとつずつどこかに置いておく。そうすると、ちょっと心の中の部屋が広くなった、と。スッキリしたとか、そういう状態になっていく。
・一度、高野山に行って、高野山の僧侶と仲良くなって話していたら、「悟りを開きたい人は、まず部屋を片付けなさい。」みたいなことを言う。部屋を片付けると、部屋の中が広くなって、スッキリするでしょう、と。それが大事なんだ。だから手始めに部屋を片付けなさい、と。
・僕、聞いていてもう、本当に同感で、ただ、僕らは心の中の部屋を片付ける。いろいろ散らかった部屋があるので、それを一つずつ置いていくように整理していく、と思って、そんなふうに「クリアリング・ア・スペース」をやるんですけれど、タイに行って帰ってきた時に、『アップデートする仏教』という本が出ていると、僧侶の人に教えて貰って、それでこれを読んでみて「これは面白いな。藤田一照さんと山下良道さん、ここに書いてあることは、まさにフォーカシングと同じことになるよね。」と。
・要点は何かというと、「いったい誰が瞑想しているのか」そこがポイント。瞑想しようとか、悟りを開こうとか、思いすぎてそれができない、という実態が書いてある。それはそう。フォーカシングしようと頑張り過ぎるとフォーカシングにならない。それから「空間づくり」をしようと思い過ぎたらできないとか。部屋を綺麗に片付けようと思い過ぎたら、頑張り過ぎたら全然片付かないとか。そういうことがある。
なんか。自分の部屋が散らかっているのは、自分の状態が散らかっている証拠。だから、自分の心を整えようと思うとまず自分の部屋を片付けなさい。
そういうふうに聞いたことあります。なんとなく、そうだろうなと思った記憶があるけれど。
今回私は「僕らは心の中の部屋を片付ける。」という言葉に立ち止まった。
なんというか…確かにカウンセリングというのは、とっ散らかった心の中のものを、ひとつひとつ丁寧に拾い上げて、収めるべき場所に収める作業。
収まりきらないものは、どうしたら「今の居心地悪い状態」を少しでもマシにできるのか、を考えていく営みのような気がする。