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歩くことをたのしむために街を歩く〜長田弘の詩「散歩」(『深呼吸の必要』所収「大きな木」から)〜

2020/10/22
歩くことをたのしむために街を歩く〜長田弘の詩「散歩」(『深呼吸の必要』所収「大きな木」から)〜
朝。5時過ぎは、まだ暗い。明るかった夏はとうに過ぎた。
冬へと向かっていることを意識させられる。
今朝は…ああ、この詩。

  「散歩」   長田弘

 ただ歩く。手に何ももたない。急がない。
気に入った曲り角がきたら、すっと曲がる。
曲り角を曲ると、道のさきの風景がくるりと
変わる。くねくねとつづいてゆく細い道もあ
れば、おもいがけない下り坂で膝がわらいだ
すこともある。広い道にでると、空は遠くか
らゆっくりとこちらにひろがってくる。どの
道も、一つ一つの道が、それぞれにちがう。
 街にかくされた、みえないあみだ籤(くじ)の折り
目をするするとひろげてゆくように、曲り角
をいくつも曲がって、どこかへゆくためにで
なく、歩くことをたのしむために街を歩く。
とても簡単なことだ。とても簡単なようなの
だが、そうだろうか。どこかへ何かをしにゆ
くことはできても、歩くことをたのしむため
に歩くこと。それがなかなかにできない。こ
の世でいちばん難しいのは、いちばん簡単な
こと。


朝のコラムを書き上げ、6時半からの朝の瞑想ズームが終わった後、
おもむろにアンジーが起き出してきて、ちょこんとおりこうに座る。
「ママ、そろそろ、でしょ?」
そういった面差しで、時にあくびをして見せる、こともある。

「あ、そうだね。そろそろ散歩?」
と声掛けすると、途端に、手足を片方ずつ、伸ばしだす。
それを横目で見ながら、私は急いで着替えをする。

ベランダを開けて、外の気温を確かめ、今日のいでたちを検討する。
…昨日は、セーターにマフラーと帽子を足した。

昨日は、おまけにカメラも持って。…お天気が良かった、ので。

帽子は思いの外、暖かくて。…もう、そんな季節? と思う。

本町の、宝山寺への参道を登っていく。
入り口近くは、商店街、になっていて。お店が並ぶ。
急な登り坂になっていって、両脇には家が立ち並ぶ。
そのうち、「参詣本道」と彫られた石塚が見えてくる。

ランドセルの子どもたちが集まって集団登校する、その集合場所で、
ボランティアの方々や子どもたちと挨拶する。
アンジーも少し構ってもらって。

そのまま参道を登るのではなく、脇道をゆく。
谷となっているところに家が立ち並ぶ、のを見ながら、
少し目線を上にあげ、
空が青い、ことを確認する。

ある朝、一斉に香り出した金木犀も、今はもうそんなに香り立つ、ほどではない。
示し合わせたように香り立つのは、…あれは、いったい、なぜなんだろう? と
毎年のことながら、不思議に思う。

時折、家々の庭に咲いている花を見かけ、シャッターを切る。

花でなくても、石垣の葉も。

家の外灯に目がいくこともある。

時には、日が差した生け垣の葉も。

こんな時には、世界はこんなにも美しい、と思う。

でも、長田弘の詩を読んで、あっ、と思う。
…私は「歩くことをたのしむために歩くこと」をしてる?

確かに、どこかに向かう、ためには歩いてないけれど。
でも、カメラを持って出た時点で、もう「何か」と出会うことを期待している、よね?
それは私の見つける、「世界はこんなにも美しい」であるのだけれど。

今日は、カメラを置いて、「歩くことをたのしむために歩くこと」をやってみよう。
足裏に道の感触を感じながら、そうしてみよう。

画像は、生け垣の向こうに見えた、紫式部。紫の可愛い実が色鮮やかでした。

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