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沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
日々の暮らしの中で、ちょっと気づいたこと、ほっと一息つけるようなことがらをコラムとしてまとめました。
あなたの「お役立ち」になるかどうか、心許ないですが、興味を持った「カテゴリー」から読んでみてくださいね。

カテゴリーごとに選べます。
選択
絵本の世界
2017/01/24
長田弘 詩・いせ ひでこ 絵『最初の質問』  

 

   「最初の質問」    長田 弘

 

 今日、あなたは空を見上げましたか。空は遠かったですか、近かったですか。雲はどんなかたちをしていましたか。風はどんな匂いがしましたか。あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。「ありがとう」という言葉を、今日、あなたは口にしましたか。

 窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。雨の雫(しずく)をいっぱい溜(た)めたクモの巣を見たことがありますか。樫(かし)の木の下で、あるいは欅(けやき)の木の下で、立ちどまったことがありますか。街路樹(がいろじゅ)の木の名を知っていますか。樹木(じゅもく)を友人だと考えたことがありますか。

 このまえ、川を見つめたのはいつでしたか。砂のうえに坐(すわ)ったのは、草のうえに坐ったのはいつでしたか。「うつくしい」と、あなたがためらわずに言えるものは何ですか。好きな花を七つ、あげられますか。あなたにとって「わたしたち」というのは、誰ですか。

 夜明け前に啼(な)きかわす鳥の声を聴いたことがありますか。ゆっくりと暮れてゆく西の空に祈ったことがありますか。何歳のときのじぶんが好きですか。上手に歳をとることができるとおもいますか。世界という言葉で、まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。

 いまあなたがいる場所で、耳を澄(す)ますと、何が聴こえますか。沈黙はどんな音がしますか。じっと目をつぶる。すると、何が見えてきますか。問いと答えと、いまあなたにとって必要なのはどっちですか。これだけはしないと、心に決めていることがありますか。

 いちばんしたいことは何ですか。人生の材料は何だとおもいますか。あなたにとって、あるいはあなたの知らない人びと、あなたを知らない人びとにとって、幸福って何だとおもいますか。時代は言葉をないがしろにしている--あなたは言葉を信じていますか。

   (詩集『小道の収集』・講談社・1995)

長田弘の詩にいせひでこが絵を描いて、絵本となりました。
「読書への誘い」の第13号で紹介した詩です。

日常に追われていると、つい空を見上げることさえ忘れていることがあります。
空がきれいだな、とか、風が心地よい、とか、木々の季節の変化にも気づかなかったり…。
この詩は、そんな、日常をおろそかにしている自分の状態に気づかせてくれます。

いせひでこの柔らかな絵がまた広がりを持って、ひとつひとつの質問を際立たせてくれます。
ゆっくりと自分に問いかけるのに、1ページ1ページ、めくっていく、というのはちょうどよい速度だと思います。

「あなたは言葉を信じていますか。」が最後に来るのは、長田弘が詩人だからだと思います。
絵を描く人だったら「絵を信じていますか」、音楽が表現手段である人だったら「音楽を信じていますか」になるのでしょう。
…あなたは、何を信じていますか?

詩の世界
2017/01/23
見つけたときは、ちょっとびっくり!でした。本当に階段状になっていて、昇って降りて、一番てっぺんで、ちょっと周囲の眺めを楽しんでいるような…。

出典も何もわからないのですが、こんな風に視覚的に楽しめる詩があってもいいな、と。

4行目と14行目の傍線は、PDF化するときに、どういうわけかずれてしまって下に来ていますが、本当は最後の文字の「よ」の横につけてあったものです。2カ所、対照的に下線部分があるのも、ちょっと珍しいですね。

とりあえず、「だん」で脚韻(言葉の最後の音を揃える)を踏んでいます。「読書への誘い」第15号で紹介したものです。

絵本の世界
2017/01/21
長谷川摂子作・ふりや なな  画の絵本『めっきらもっきら どおんどん』  
遊ぶ友達が誰もいなくて、しゃくだから大声でめちゃくちゃの歌を歌った、かんた。
「ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じょんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん」

すると、どどーっと風が吹いて…穴の中に吸い込まれ、出会ったのはおかしな3人、「もんもんびゃっこ」と「しっかかもっかか」と「おたからまんちん」。
3人と楽しい時間を過ごしたのだけれど、さて、どうやってかんたは、お家に帰れたのかな?

なんだか訳のわからない、呪文のような言葉が楽しく、ついつい口にしたくなります。
…でもこれがなかなか一口には言えないものなんです。
子どもたちは夢中になって「れんしゅう」しますよ。

ふりやななさんって確か外国にお住まいだったような…。
ダイナミックな画面構成も魅力です。
「こどものとも 傑作集」としてハードカバーで出ています。福音館書店です。

絵本の世界
2017/01/20
ジョン・クラッセン  作『ちがうねん』  
アメリカの長編アニメ映画、ミュージックビデオ、社説記事のイラストレーターとして活動していたジョン・クラッセンが『THIS IS NOT MY HAT』という題名で2012年に発表した絵本を、日本の絵本作家・長谷川義史が大阪弁で翻訳したものです。クレヨンハウスから同じ2012年に発刊されました。

大きな魚から帽子を盗んだ小さな魚…。逃げていきます…、さて、逃げ切れるでしょうか⁉

絵本の帯には「ぴったりやわ」と言って逃げていく小さな魚に、「なにが ちがうねん。とったら あかんやろ。」という言葉が添えられています。

この絵本は最後の勤務校となった広島県立五日市高等学校の3年生の選択授業「国語表現」で、2014年に取り上げました。屋久島よりもさらに南の「徳之島」出身の新任教員の協力を得て、「徳之島弁」で読んでもらったものを授業で聞かせ、その上で「広島弁で訳す」という課題を出したのです。グループでの作業としました。それで、元の英語版も揃えました。

絵本を開くと、元々のこの本の面白さと同時に、2年半前の授業で生徒たちがキャアキャア喜んで取り組んだ姿が思い出されます。
この教材の前にはちょうど「アナと雪の女王」が公開されていたので、主題歌の翻訳にも取り組ませました。松たか子が歌っていた訳(「ありのままで」)があまり好きでなかったので、わたしならこう訳すけど、生徒はどう訳すだろう? というのをぶつけてみたかったのです。

こういう風に、自分の感性をぶつけてどんな反応が返るか、それが授業の醍醐味でした。「ふふふ…まだまだだね…。」と思うこともあれば、本気で「凄いね!」と称賛したことも数多くありました。私は「凄い!」と思ったらそう表現するので、(逆に? と思ったらそのまま首をかしげるので)、それは教員としては未熟だったかもしれません。でも、自分が楽しめないでいるものを授業として展開しても、生徒も楽しめないのではないか、という思いはありました。だから、「古典」よりは「現代文」とか「国語表現」といった科目を教えるのが好きでした。私自身も意外な発見ができたし、クラスによっても反応が違うので、同じ展開にはならなかったので。そのライブ感が好きでした。

学校という組織はあまり好きではなかったけれど、授業以外は担任業が好きでした。…特に3年生の担任業が好きでした。人生が比較的大きく変わる分岐点に関わらせてもらえることに責任と幸せを感じていました。だから、本当に早期退職するかどうか1年間悩みました。

『ちがうねん』を手に取り、そんなあれこれを思い出しました。


子どもとの時間
2017/01/19
子どもとの時間(2)保育園(真理先生)  
子どもが宿ったとき、私は教育委員会から長期研修が許可されて大学院に行っているときでした。(許可された、といっても院試はしっかりあって、もう一度英語や変体仮名を学ぶ羽目になりました。)現職教員の長期派遣は2年間なのですが(1年目は丸々学生なのですが、2年分の単位を全て取り、2年目は職場に戻って通常の業務をこなしながら修士論文を書く、という生活です)、2年目の5月に出産となったため、間に育休を挟むことになり、全国初の「3年派遣」となりました。

それはよかったのですが、その代わり、子どもが1歳になるまで取れるはずの育休は、4月復帰を命じられ、11ヶ月での保育園行きとなりました。

初めての登園日、泣くだろうな…と不安だったのですが、その日迎え入れの先生が真理先生でした。「ふえ〜」と泣き顔になったものの、真理先生に「Kちゃん、おはよ」とにこやかに迎えてもらった子どもは、キョトンとして泣き止みました。それで安心して職場に向かったのでした。

ところが、次の日の迎え入れは別の先生でした。子どもは大泣きし、私は後ろ髪を引かれる思いで保育園を後にしました。
次の日も次の日も大泣きでした。「お母さん、まあ、慣れるまではそんなものですよ。大丈夫。そのうち泣かなくなります。」と保育園の先生に背中を押され、職場に向かったものでした。

ところが、どうも真理先生が迎え入れの日は泣かないことに気がつきました。真理先生が担任の先生、ということもあったでしょうが、でも私は初日から泣かなかったことにも気づいていました。

一年近く経って、こどもが2歳近くになったとき、ちょっとママのヤキモチがむくむく湧き上がってきて、帰りの車の中で「ねえ、Kちゃん、ママと、真理先生と…どっちが好き?」などと口にしてしまいました。後部座席にチャイルドシートを設置していたので、子どもの様子は見えませんでした。


しばらく経って、子どもの答えは「…パパ!」でした。…負けました。
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