いつものように、最初にタロットカードを引いてチェックイン。
今日の私は大アルカナの「2 女教皇」だった。池見陽先生の「Asian Focusing Methods」セミナーの続きです。
「クリアリング・ア・スペース」
・6つのステップはどんなものか、というのがここに出ているが、ここでジェンドリンの「体験過程理論」で扱っているのは2番目の「フェルトセンス」以降。そこに、「言葉にならない体験」を「フェルトセンス」として、それを表現する言葉を「ハンドル表現」として、一体それは何を伝えているんだろう、何を必要としているんだろう、この感じには何があるだろう、とかそういうことを考えていく、というサイクルがある。これがフォーカシングの中心部分。
・ジェンドリンはどこからか「クリアリング・ア・スペース」という一番目のステップを持ってきた。これは非常に不思議。不思議というのは、本を書く前に論文で発表していることが一般的(そして2から先の「体験過程」のプロセスはたくさん論文がある)。「クリアリング・ア・スペース」については何の論文もなく、いきなり本に登場する。
・しかも、読んでいると、(これは)かなりこなれているやり方。
・ここはフォーカシングの本体部分と異色であって、たとえばフォーカシング指導者のアン・ワイザー・コーネルは、1番目は削除して、本体部分とあまりに違うから、ということでやらない。
・これは一体何かというと、セッションを始める前に、今自分はどんなことが気になっているのか、今どんなことを感じているのか、たとえば、面接に来たクライエントが、話したい話題があって来ているが、来る途中で電車に遅れたことでドキドキしている、そして1日のスケジュールが狂ったことにイライラしている、そういう気持ちを持って来てしまっているので、ちょっとイライラを横に置いといて、その他にどんな気持ちがあるのか、一旦、前に並べて、それらからちょっと距離を置いて、そこから一つ気がかりを選んで進んでいきましょう、とこういうようなステップ。
・おそらくこれは現象学の「エポケー」みたいな意味があるんだろうと思うが、しかし、理論の説明はなく「クリアリング・ア・スペース」が紹介されている。
・日本にこれが入って来たときに、ここが一番、日本人には分かりやすかった部分がある。
百武さんのワークショップにゲストとして来られた三村尚彦先生。
ワークをご覧になっての感想及び質問、それから現象学は何を明らかにしていこうとするものなのか、の言及が非常に興味深かったので、言葉を拾っておこうと思います。(小見出しは、私が勝手につけたものです。)
・僕の関心事から、百武さんと皆さんのワーク、やりとりを見させていただいて、興味深かったのは、…というか、逆に皆さんに伺いたいなあと思ったのは、メタファー、たとえ。
認知神経リハビリテーションにおけるボディイメージ回復の方法としてのメタファー
・フォーカシングでもそうだし、あるいは現象学の話でもそうで、今、僕が一番、力を入れているのが、「認知神経リハビリテーション」っていって、脳卒中とかで固まりになった方のリハビリテーション。日本では「運動療法」が主流なんですよね。要は麻痺で動かなくなった人、自分でコントロールできなくなった人に、他の部位を、簡単にいうと、筋トレみたいなことをすることで対応しようとするものですね。で、これは「therapy of exercise」、本来だったら「治療的訓練」と訳さなきゃならないところ、日本は「運動療法」と訳したので、割と、…簡単に言うと筋トレ系で、片っぽ動かないけど、もう片っぽを強くすれば、なんかその物事に対応できるようになるよね、という形なんですよ。
・ところが、「認知神経リハビリテーション」っていうのは、イタリアの神経内科医のカルロフェルベッティという人が、現象学とか哲学からのヒントを得て、要は、麻痺を起こした人って、自分の身体を自分の身体として認識したりイメージできなくなっているんですよね。だから、これ自分の腕だと思わなくなっているので、たとえば「自分の腕を冷蔵庫に忘れてきた」と言い出したりするんですよ。家族はそうすると「ああ、うちのおじいちゃん(または、お母ちゃん)は、脳卒中で麻痺を起こして、それでなんか認知症の症状で、おかしな発言をするようになったんだ、というふうになるんですけど、でも実際には違って、本当に物体みたいにしか思えないので、だから、たとえば、さっき冷蔵庫で見た、今、ここに腕があっても、これは自分の腕だというふうに認識がない、ボディイメージが完全に崩壊しているので、腕がない、という状態なんですよね。
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