「ぼくがここに」 まど みちお
ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメがいるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない
ああこのちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときも
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として (詩集『ぼくがここに』1993年刊 童話屋)
既に「読書への誘い」の第1号で紹介していた詩なんですが、改めてしみじみと読み返しました。
気弱になっている時には、ホント自分が小さく小さくなってしまった気分ですが、「その一つぶの マメだけしか ここに いることは できない」って言ってもらって…そうか、「小さくったってちゃんと場所取ってるんだ」なんてちょっとホッとしたりして。(いえ、身体は20代よりンキロも大きくなってしまっているのですが…)
ああこのちきゅうの うえでは/こんなに だいじに/まもられているのだ/どんなものが どんなところに/いるときも
その「いること」こそが/なににも まして/すばらしいこと として
最後の二連にはなんだかちょっと、涙ぐんでしまいました。まどさんのゆったりと暖かな眼差しを感じて。「なにかである」ことが、とかく大事にされて、「いること」そのものに祝福されているという感覚を忘れてしまいがちですが、そうじゃないですよね。
基本的に自尊感情があまり高くない私は、つい気弱になると、「私のいる意味ってあるのかな…」なんて思っては、「ダメダメ、そんなこと考えちゃあ…」と思い直すのですが、自尊感情ってなかなか育ちにくいものですね。
親が子どもに与えてあげられる最善の贈り物は自尊感情じゃないかな、と私は思っているのですけれど、私自身も自分の子どもに与えてあげられたという自信はありません。
でも、いつまでも与えられなかったことにこだわっているより、自分で自分の中の育っていない「子ども」を育てていくことはできますね。
この詩の言葉に、私の「インナーチャイルド」は安心して落ち着いたようでした。
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