宇多田ヒカルの最新アルバム「Fantôme」の最初の曲は「道」という作品なのですが、何時ぞやの「Songs」という番組で彼女自身が話していたように、母藤圭子を「自分の原点だと感じている」ということを素直に表現したものです。
私の心の中にあなたがいる / いつ如何なる時も
一人で歩いたつもりの道でも/ 始まりはあなただった
It's a lonely road / But I'm not alone
そんな気分
どんなことをして誰といても / この身はあなたと共にある
一人で歩まねばならぬ道でも / あなたの声が聞こえる
It's a lonely road / You are every song
これは事実
私の心の中にあなたがいる / いつ如何なる時も
どこへ続くかまだ分からぬ道でも / きっとそこにあなたがいる
It's a lonely road / But I'm not alone
そんな気分
8ビートの軽快なリズムに乗せて歌い上げられていくのですが、サビの部分を並べてみると、「あなた」の存在は、言うならば「神」と同じー神格化ーされている感があります。
傷ましい亡くなり方をしただけに、逆にこのような位置付けをすることで、彼女は母の死を乗り越えようとしたんだろうか、という気がしました。