大阪・奈良 生駒駅徒歩6分の心理カウンセリングルーム
オンラインでも受けられます
教員歴31年の独自メソッドで、超短期で不登校、夫婦関係、親子関係、職場の人間関係などの悩みを解決
全く効果がなければ返金保証いたします
生駒市元町2-4-20
  1. コラム
  2. 沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
  3. 絵本の世界
 

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
日々の暮らしの中で、ちょっと気づいたこと、ほっと一息つけるようなことがらをコラムとしてまとめました。
あなたの「お役立ち」になるかどうか、心許ないですが、興味を持った「カテゴリー」から読んでみてくださいね。

カテゴリーごとに選べます。
選択
絵本の世界
2017/02/24
さかざき ちはる作『ペンギン ジャンプ』  
こんな本いつ買ったのかしら? というものが本棚から出てきました。それが『ペンギン ジャンプ』。サブタイトルに「新しい世界へジャンプする若きペンギン」とあって、短い羽(?)を精一杯広げてペンギンがジャンプしている図柄の表紙です。作者はJP東日本のICカード「Suica」のペンギンイラストを制作、と奥付にあります。2000年初版、私が買ったのは、2006年の初版第5刷。

ふ〜ん…「Suica」のペンギンか…。

「ペンギンが南極とそのまわりの
   小さな島にだけ住んでいた時代は
   終わりを告げた

   いまやペンギンはその活動の場を
   全世界に広げている」

ということらしく、「ペンギンは/人間世界にとけこもうと/日々 努力している」そうで、
「あるときはレストランのウェイター」「あるときはホテルのボーイ」…と続いていきます。

普段は目立たない(ハズの)生態を描写していくのですが、妙に人間臭くて、変な奴、なのです。なぜだろう? と考えると、つまりは、いろんな職種に「ジャンプ」(=チャレンジ)していく姿が妙に生々しいのだと思います。

でもまあ、こんな「隣人」がいてもいいかもね、と思わせる力量はさすが! ペンギンを自由に羽ばたかせて、ほっこりさせられるのは、ペンギンとともに読む人を羽ばたかせているのでしょうね。

絵本の世界
2017/02/17
パット・パルマー著『怒ろう』(Anger can be healthy)  
昨日、生駒市立俵口小学校へボランティアに行くのに、小学生が興味持てそうな本を、カウンセリングルームに置いた本棚から探していたら、パット・パルマーの『怒ろう』が目に飛び込んできました。

怒っちゃいけない、なんて誰が言ったの⁉
あなたのなかに住んでいる おこりんぼうと もっとなかよくしてあげて。

これは、本の帯に書かれていたものです。…そうそう、怒りを身体に溜め込むからいけないんだなあ。これも小学校に持って行こうっと。そう思って鞄の中に入れたのですが、昨日出会った子は、自分のことをあれこれ話してくれたので、そして、話すことで自分の心を落ち着かせようとしていたので、この本は出番がありませんでした。…まあ、それは、別の機会でもいいことなので、構わないのですが。

「あなたは怒りを『悪い感情』だと思っているかもしれない。だけど、怒りは本当に『悪い感情』だろうか?
もしかしたら怒りは、私たちにだいじなことを教えてくれているのかもしれない。」

「ときとして怒りは、あなたをトラブルから救い、あなたの身体や心を守ってくれる。
怒りが、行動したり決断したりする勇気を、あなたに与えてくれることもある。
怒りによって、まちがった考えや不公平に気づくことだってある。」

「怒ってもいい。
だいじなのは、怒らないことじゃなくて怒りに支配されないこと。
怒りに支配されているとき、あなたの身体は固まっている。
顔が赤くなっている。歯をくいしばっている。顔がゆがんでいる。拳を握りしめている。心臓の鼓動が速くなっている。
そういうときは要注意。」

こんなふうに怒りについての話が進んでいって、最後はこんな言葉で終わるのです。

「あなたの怒りは、人を傷つけるためにあるのではなく、あなたを守るためにある。
そして覚えておいて。あなたの怒りは、あなた自身を、そして世界を、よりよいものに変える可能性を持っている。」

そう、怒りを溜め込まず、そして怒りに支配されず、上手に自分や自分を取り巻く周囲を変えていくエネルギーに転換できたら、こんないいことはないのです。

昨日はとりあえず、自分の怒りを外に出すことを促して、そして素直にやってみてくれて、それでちょっと心が落ち着いたみたいだったけれど、もし、来週も私が必要な状態だったら、今度はこの本を渡してあげよう。そして、怒りに支配されないで、自分の在りように関する選択権は自分にあることを伝えてあげよう。

「なんで自分ばかりがこんなに苦しいの? 他のみんなはこんなに悩んでなさそうなのに…」
そうね…私もそうだった。記憶にある限り、いつもいつも追い立てられているようで、胃がしくしく痛かったり、喉のあたりが締め付けられるように苦しかったり、他の人に興味が持てないというより、自分の苦しさでいっぱいで、余裕がなかった。

でも、大丈夫だよ。気づいたらもう半世紀も生きてきたよ。そして、子どもの頃の息苦しさは、大人の私にはなくなっているからね。あなたの今の苦しみは、いつかきっと他の人の苦しみをわかってあげられるものとなる。もう少ししたら、そう伝えてあげようね。だから、今を生き延びてね。

絵本の世界
2017/02/11
ガブリエル・バンサン作「アンジュール ある犬の物語」  
いきなり車から放り出され、捨てられた一匹の犬。必死で追いかけますが、車はみるみるうちに遠ざかり…。
途方に暮れて座り込むうちに、後続の車にはねられそうになったり、事故を引き起こしてしまったり…。
ぽつねんと佇む犬の前に、ひとりの子どもが近づいてきて…。

言葉がなく、デッサンだけでお話が描かれていきます。色もなく、モノトーンの世界なのですが、どうしてこんなに一匹の犬の感情〈焦り、恐怖、絶望、戸惑い、孤独、悲しみ、諦め、期待、不安、喜び、安心〉が、くっきり見えてくるのでしょう? 
削ぎ落とされた、必要最低限の線だけの表現は、限りなく豊かな広がりを生み出すのでしょう。

1928年にベルギーのブリュッセルで生まれたバンサンが、美術アカデミーを卒業後、絵本作家としてデビューしたのは53歳の時でした。バンサンは、線描、いわゆるデッサンのうまさでは、世界的評価を受けていたといいます。

一般的に「下書き」とされるデッサンをそのまま作品としていますが、何本も引かれた線の動きに目を奪われます。一度手に取ってみてください。


絵本の世界
2017/02/06
のさか ゆうさく作『まるくなった まあるくなった』  
表紙の絵は毛糸玉を引き寄せている猫の前足。肉球がなんか可愛くて、どんなお話? とページをめくると、次のような言葉が続きます。

 にわの いしころ
 もちあげてみたら

 もぞ むぞ
 むぞ もぞ
 だんごむし

 ゆびで つんつん
 つついてみたら

 まるくなった
 まあるくなった
 こんころ ころろ
 てのひら くすぐったい

こどもの好きなだんご虫。まるくってちっちゃくてかわいいんだけど、確かフンを食べて生きてた。なのに、うちの子ときたら、てのひらに乗っけてただんご虫が見当たらないと思うと…「Kちゃん!お口、あーんしてごらん!」舌の上には、たくさんのだんご虫がもぞもぞ動いてた。…というような思い出があります。

次から次へと「まあるくなった」ものが続くのですが、最後は…

 かみふうせん
 ふーっと ふいたら

 まるくなった
 まあるくなった
 ふうわり ぱーん
 ふうわり ぽーん

 ふんわり おちて
 まろのうえ

 まろは めざめて
 あくびした

 でもまた ほらね

 まるくなった
 まあるくなった
 ねこの まろ

と、表紙に出てきた前足の持ち主「まろ」が登場して終わります。

「もぞむぞ むぞもぞ」とか「つんつん」「こんころ ころろ」など擬態語(ぎたいご・「のろのろ」など、様子を表したもの)・擬声語(ぎせいご・「ピューピュー」など、実際の音から様子を表したもの)(併せて「オノマトペ」といいます)の響きが面白くて、楽しくお話が進んでいくのですが、最後、なんとなく「まろ」が出てきたところで、限りなく「まろ」への愛情を感じてしまって、まるでこのお話は「まろ」のために作られたかのように思えました。薄い二つ折の紙に「まろのこと」という作者の短い文章が載せられていました。…亡くなった「まろ」を想って作られたとのことでした。

…やっぱり、そうだったんだ…。「まろ」の肉球、「まろ」のあくびをした時のまあるい背中、しっぽ。すべてすべて懐かしくて恋しくて。そんな作者の想いが溢れてきて、そっと涙したことでした。(年少版こどものとも 1997年8月 福音館書店)

絵本の世界
2017/01/29
『まさか さかさま』さかさ絵・文 伊藤文人  
なんだろう? これ…と手に取ったのが、きっかけでした。
一風変わった絵と、絵の左右に書かれた文。
しかも、左側の方は逆さまになっていて…。

さて、あなたには、わかりましたか?
そう、正面から見た絵の解説は右側に、逆さまにして見た絵の解説は左側に書かれていたのです!

正面から見た絵は悲しそうな顔に見えても、逆さまから見た絵はごきげん良さそうで…。

そう! ものごとは逆から見たら、全く違って見える!ということを、実際に描いて見せてくれた絵本です。繰るページ繰るページ、本当によく出来ているなぁと感心させられます。
新風舎から、2000年に出ています。
掲載の作品の一部は、「からくりミュージアム」(東京・渋谷)に収蔵されているようです。

そうそう、言い忘れていました。
タイトルは、前から読んでも後ろから読んでも「まさかさかさま」、回文になっています。
<<  <  10  11  12  >  >>

カウンセリングルーム 沙羅Sara

あなたはあなたのままで大丈夫。ひとりで悩みを抱え込まないで。

明けない夜はありません。

電話番号:090-7594-0428

所在地 : 生駒市元町2-4-20 

営業時間:10:00〜19:00

定休日 :不定休

ルーム案内・アクセスはこちら