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  1. コラム
  2. 沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
  3. 絵本の世界
 

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
日々の暮らしの中で、ちょっと気づいたこと、ほっと一息つけるようなことがらをコラムとしてまとめました。
あなたの「お役立ち」になるかどうか、心許ないですが、興味を持った「カテゴリー」から読んでみてくださいね。

カテゴリーごとに選べます。
選択
絵本の世界
2018/02/17
お目当てではないものから新しいものを生み出す〜「なくしたボタン」アーノルド・ローベル  
これは、がまくんとかえるくんシリーズ1冊目『ふたりはともだち」の中に収められている作品。
アーノルド・ローベルの1970年の作で、文化出版局から1972年第1刷が出されています。
私の持っているものは2001年の第1刷です130刷。…凄いですねえ。
確か…子どもが小学校に入って、国語の教科書に「手紙」という作品が採択されていて、「国語の本読み」の宿題で、知ったのだと思います。

今回は、「手紙」が収められている『ふたりはともだち』から、別の作品を。



続き
絵本の世界
2017/11/05
うまくいかないことも幸運への道しるべ〜『信じてみたい 幸せを招く 世界のしるし』米澤敬 著・出口春菜 画〜  
今朝は、ちょっと面白そうだなと思って取り寄せた絵本を。
『信じてみたい 幸せを招く 世界のしるし』というタイトルです。
創元社から2017年5月に第1版第1刷が出ています。
本の帯には「いいことあるかもー耳飾りが落ちる、ワインをこぼす、木曜日のくしゃみ、日々の暮らしに息づいている、気づくと嬉しい世界の吉兆50」とあります。

目次はこんなふう。


そのうちのいくつかをみていきましょう。

<ろうそくを消す >  ヨーロッパ   (ふ、と広がる 暗闇の中で灯るもの)
失敗は成功のもと。間違いも幸運の予感。
間違ってろうそくの炎を消してしまうのは、幸運が近づいていることの証し。
消そうと思って息を吹きかけても、くすぶり続けるのはアンラッキーです。
服を裏返しに着てしまうのも、手袋を左右逆につけてしまうのも、「間違って」なら吉兆になります。


<耳がかゆい> 日本  (明日のこと、耳が伝えたがっている)
夜に耳がかゆくなると、翌日いいことがあるといいます。
ドイツでは、右の掌(てのひら)がかゆくなるのは、お金が入ってくる予兆、
左手なら出ていくことになるとされています。
またヨーロッパ各地で、左の耳がほてるのは、誰かがいい噂をしているサイン、右なら逆だといいます。


<朝いちばんでみる「♂」>  ヨーロッパ  (カーテンを開けたら 何が見える?)
朝。起きたらまず、窓の外を眺めることは、幸運を招き寄せることになります。
そこで最初に目に入った生き物(あるいは人)が、雄なら大吉です。
起きた時に、羽毛布団などの羽毛が髪の毛にまじっていると、その日のうちに嫌なことが起こるとも。

この本の最初には、「著者まえがき」があって。そこにはこんなふうに書かれていました。
続き
絵本の世界
2017/10/31
測るのはどんなもの?〜『はかりきれない 世界の単位』米澤敬 著・日下明 イラスト〜  
注文していた本が昨日届きました。
ワクワクしながら、ページを繰ります。
本の名は『はかりきれない 世界の単位』。
2017年6月の第1版第1刷です。
…実は、Instagramで見かけたもので、どんな単位が取り上げられているんだろう…と興味津々だったのでした。

著者「まえがき」からの言葉を引用します。
《人間は、何ごとも測らずにはいられないようです。測れそうもないことを推し量ろうとすることで、科学も文化も発達してきたのですが、この本で紹介する多くの「まっとうではない」単位や、近代化とともにつかわれなくなった単位にこそ、科学や文化の「落としもの」や「忘れもの」が隠されているのかもしれません。》

という趣旨で編まれた作品です。

いくつかの単位を紹介します。


カラット(1粒の豆の重さ)
イナゴマメの実(ギリシャ語でケラーティオン)1個の重さ。
時代と場所でその内実は大きく異なる単位でしたが、20世紀初頭に200mgに定められ、いつの間にか宝石の単位になりました。
さらに金の純度単位にも転用されます。
18Kは18金ではなく、本当は18カラット(純度18/24)のこと。

へえ〜。そうなんだ!


五劫の擦り切れ(ごこうのすりきれ)(とほうに暮れるほど長い時間)
落語「寿限無(じゅけむ)」に登場する単位。
劫(kalpa)はヒンズー哲学で、宇宙の誕生から消滅までの時間を意味しました。
仏教では、1辺40里(約20km)の岩を3年に1度天女が舞い降り羽衣で撫で、岩が擦り減ってなくなるまでの時間、五劫はつまりその5倍です。
億劫(おっくう)の劫も、もとはこの劫で、億劫とはとてつもない長時間になります。

「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ…」っていう長〜い名前があったなあ…と思い出しました。呪文のようで、小さかった子どもは喜んで覚えていましたよ。


アンフラマンス(現実と非現実の境界の薄さ)
「下の、下方の」という意味の接頭語「infra-」と、「薄い」という意味の形容詞「mince」を組み合わせたマルセル・デュシャンの造語。
物質界にいながら、可能な限り非物質界に近い、その寸前に留まることを指した言葉。
現実と非現実の境界の薄さ(厚さ)を測る単位ともいえます。

おお!デュシャンが登場しましたか…。
便器を置いて「泉」とタイトルをつけた作品が有名ですよね。…そう、彫刻作品として。
現実の「あたりまえ」を疑ってかかり、日常の道具の中に、非日常の「芸術を見る」ことを狙った、と私は見ています。…つまりは、「芸術」とは特別なものではないんだ、と。

ふう〜ん…そのデュシャンが作った単位ねえ…。


モデュロール(人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法)
建築家ル・コルビュジエが、人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法。
基本的には、人が立って片手を挙げた時の指先までの高さ226㎝が基準となりますが、設定されている身長が182.9㎝とかなり高め。日本人には長すぎるので、国や地域によって異なるモデュロールが設定されることもある。

いつぞや、コルビュジエの仕事を紹介した絵本を取り上げましたね。
この単位は確かに、その時出てきました。

こんなふうに、たくさんの「単位」が取り上げられ、50個もの単位が紹介されています。
ホント面白い。

あ、「はかりきれない」って、「測る」ことができない、という意味だけでなく、「たくさんあって(はかりきれないほどの)」の意味でもあったのね! 今、気づきました。

絵本の世界
2017/10/26
マイナスはプラスでもある〜木曽秀夫作『すってんてんぐ』〜  
しばらく絵本を紹介していないなあと思ってごそごそと本棚を探っていると、面白い絵本を見つけました。
木曽秀夫さんが文を書き、絵も描かれています。
1984年の第1刷。サンリードから出版されています。

表紙絵自体が、不思議な感じ。
赤い顔した天狗と緑の顔した天狗が向き合って、鼻が繋がっています。
繋がったところの色は、混ざって紫色。

では、ゆるりと参りましょうか。


《ずっとずっと むかしのこと、

   やまの かみさまは てんぐどんじゃった。

   ひでりが つづいて さくもつが かれて

   しまうと、じまんの うちわを ひとふり、

   あまぐもを よびよせて、たや はたけを

   みどりで うるおす。

   わるい びょうきが はやっても、

   てんぐうちわを ひとふりすれば、たちどころに

   はやりやまいを おいはらう。

   それはそれは、ありがたい かみさまじゃった。》

 

なんか、意気揚々とした天狗どんが、颯爽と登場します。

…神さま、なのですね。

 

《じゃによって、てんぐどんの すむ やまのてっぺんの、おおきなきのしたには、

   「てんぐさま、こどもを さずけて くだされや」、

    「しょうばいが はんじょう しますように」

   と。いつもいつも おそなえものが いっぱい。

   おかげで てんぐどん、まいにちまいにち、ごちそうをたべて、

   かおは つやつやの まっかっか。》

 


《ところがじゃ、なんねんもなんねんも、ながいきしている あいだに、
   やまのようすが、だんだんと かわって きたのじゃ。
   そんな あるとしに、となりやまに おみやが できてなあ。
   それからというもの、もう だれも てんぐどんなぞ みむきもしなくなったのじゃ。》

あらあら、大変です。隣山には行列ができているというのに。
天狗どんの山には木枯らしが吹いています。


《そなえものは とんと こなくなるし、
   もう ごちそうは たべられぬ。
   
   てんぐどんは みるみる やせて、
  
   だんだんと あおいかお。

   しまいには じまんの うちわも かれは どうぜん。
   とくいの じゅつも つかえなくなってしもうたわ。》

なんということでしょう!赤いお顔が、どんどん青くなっていって…。
商売道具のうちわまで、枯れてしまっている!

《ーーーこれでは、どうにもならぬ。
   そうだ、 わしも にんげんの まちへ いって、なにか しごとをしよう。
   はたらいたら、きっと ごちそうが たべられるーーーと、
   かんがえた てんぐどん、やまをおりて、まちへと むかったのじゃ。
   まちでは いろんな ひとが はたらいておる。
   てんぐどんには めずらしいことばかりじゃった。》

はあ。たくましいね、この神さまは。働こう、だなんて。
働いて、ご馳走を食べよう!というところが、あんまり神さまらしくないけど。


《てんぐどんは、さっそく さかんの しごとを はじめた。
   もともと かみさまだったてんぐどん、
   しごとの おぼえは はやく、
   みるまに かべぬりに かかったのは いいが、
   ながい はなが じゃまをして、
   ぬりたての かべを ずりずりと こすってんぐ。
   これじゃ、さかんの しごとは とても かなわぬ。》

…ちょっと駄洒落も入って。
でも、右下の親方らしき人が怒っています。


《つぎなる しごとは たたみやと ござい。
   ところが ところがじゃ。
   ひとはりごとに、はなは たたみを こすってんぐ。
   はりは、ぷつり、
   はなは ひりひり、
   ぷつり ひりひり、
   ふつり ひりひり。
   じまんの はなも きずだらけ。》

あ〜あ、畳に傷などつけちゃって。これじゃあ売り物になりません。

このあと、いろんな仕事に挑戦するのですが、長い鼻がじゃまして、全部ダメ。

《こまった こまった、このながい はな。
   これじゃ まちにも すめぬわい。
   さりとて、あれほうだいの てんぐやまへ かえってみても どうにも ならぬ。》


《さてさて、これから どうしたものかと、
   てんぐどん、まちの なかを
   あっちへ とぼとぼ、
   こっちへ ふらふら していると…

   てんぐどんの よこを、びゅーんと、はしりぬけた ものが おった。
   それは てがみを はこぶ ひきゃくじゃった。
   はしることの とくいな てんぐどん、
   これを みて “はっ”と、おもいついたのじゃ!》


《そのときから てんぐどんは ひきゃくに なった。
   ながーい はなの さきに、てがみの はこを むすびつけて、はしるはしる。
   「やより はやい てんぐどん、
      ひゅーんと かぜきり いだてんぐ」
   と、うたにまでなる にんきもの。
   それに すっかり げんきになった てんぐどん、
   かおは もとのように つやつやの まっかっか!
   そうら、いまでも てがみを いれる ポストは、
   てんぐどんのように まっかっかの つやつやじゃろうが。》

ということで、めでたしめでたし、なのですが。

これは、とっても子どもが喜びましたね。
言葉の調子もいいし、天狗どんの仕事の失敗の図の繰り返しが、また面白い。
子どもは繰り返しが好きですものね。
ポストの赤、にまで話をつなげる念の入れようも、凝っています。

まあ、自分の何かが合わないのだったら、それに固執しないで何か合うことを、というのは、簡単に言えますけど、なかなか、そんな思い開きはできない。
自己否定に陥ったり、もう生きていけないと絶望したり。

でもまあ、マイナスにしか見えないことが、プラスに転じることもあるのですよね。
なかなか、自分では気づけないことでしょうけれど。
そして、モデルも要ります。
実際に飛脚を見て、天狗どんも「は!」としたわけですから。
…でも、天狗どんが落ち込んで、自分の中に閉じこもっていたら、飛脚が走っても気づかないかもしれない。
ヒントは近くにあっても、見逃すこともある、と思うのです。

本当は、困った時ほど、深呼吸して、周りを見回すことが必要なのですね。
それができない時のために、カウンセリングルームはあります。
続き
絵本の世界
2017/10/19
日本語はこんなふうに続いていく〜『これは のみの ぴこ』谷川俊太郎・作/和田誠・絵〜  
谷川俊太郎の有名な絵本『これは のみの ぴこ』を紹介します。
サンリードから1979年に出た絵本です。
私が持っているのは1988年の第12刷。

何で有名かというと、日本語の助詞のひとつである「の」を用いて、こんなふうにどんどん繋げていけますよ、を示したものだからです。
私も確か…大学の「国語学」の授業で、…「国語学」というのは、日本語の特性を語学的に研究する分野なのですが、その授業で紹介された記憶があります。

さて、始まりは「これは のみの ぴこ」です。


のみに名前が付いている! とちょっとびっくりするのですが。
この、のみが主人公か、と思うと違います。


「これは のみの ぴこの/すんでいる ねこの ごえもん」
と、話題は「ねこのごえもん」に移ります。


「これは のみの ぴこの
   すんでいる ねこの ごえもんの
   しっぽ ふんずけた あきらくん」
と、また、話題が「あきらくん」に移っていくのです。

こんなふうに、どんどん話が移っていって…最後は、


「これは のみの ぴこの
   すんでいる ねこの ごえもんの
   しっぽ ふんずけた あきらくんの
   まんが よんでる おかあさんが
   おだんごを かう おだんごやさんに
   おかねを かした ぎんこうにんと
   ぴんぽんを する おすもうさんが
   あこがれている かしゅの
   おうむを ぬすんだ どろぼうに
   とまと ぶつけた やおやさんが
   せんきょで えらんだ しちょうさんの
   いれば つくった はいしゃさんの
   ほるんの せんせいの
   かおを ひっかいた ねこの しゃるるの
   せなかに すんでいる のみのぷち」
で終わります。

お相撲さんや泥棒や市長さんやが出てくるバライティー豊かな広がりと、人はどこでどんなふうにつながっているのかわからない、という面白さと。
それから最後は「のみのぷち」で終わるこだわりと。
「のみのぴこ」と「のみのぷち」のつながりはよくわかりませんが、まあ「のみ」つながりなんでしょうね。

あ、今気づいたのですが、絵本の表紙を広げてみると…こんなふうになっていました。

前と後ろがつながっていることをこんなふうにも表現していたのですね!
なかなか奥が深い!
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